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キャリア・教育 #職場問題ハラスメントのトリセツ

「ハラスメントが起きやすい職場」かどうかがわかる6つのNGサイン――"パワハラ相談"を受けてきた社労士が解説

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  • 村井 真子 社会保険労務士、キャリアコンサルタント、経営学修士(MBA)
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5.腹を割って話せない職場

上司や同僚に本音を話せない、上司と部下のコミュニケーションが少ない職場では、ハラスメントが生じやすくなります。これは単純な会話量の問題ではなく、コミュニケーションの質や信頼関係の構築に深く関わっています。

互いの考えや気持ちを共有できない環境が続くと、相手の意図や状況を誤解したり、不満や不安が蓄積したりしやすくなります。

その結果、いざトラブルが起きたときに話し合いや協力がスムーズに進まず、感情的な対立が起きるリスクが高まるのです。また、ハラスメントが生じたときに上司や同僚に相談されないことによって事態の把握が遅れ、状況が悪化してしまうこともあります。

ハラスメント対策は事業主の義務

6.ハラスメント教育がされていない職場

パワハラ防止法の改正によって、現在、すべての職場でハラスメント対策は事業主の義務になりました。対策には事業主がハラスメントを許さないことを方針として明示するほか、ハラスメントの発生の原因や背景について周知・啓発することが含まれます。

しかし、この義務規定には罰則がないこともあり、実際には十分なハラスメント教育が行われていない企業も存在します。

対策をしている企業でも一度研修をしただけ、パンフレットを配っただけという場合は、ハラスメントについて知識を労働者に適切に提供しているとは言い難い状況です。

ハラスメント教育がまったくなされていない企業は「そもそも何がハラスメントなのか」「どういうことが該当するのか」といった目線が企業内でバラバラになり、ハラスメントが横行する事態が生じます。

さらに、こうした基本的な法令に対応することができていない企業では、コンプライアンス遵守がなおざりになりやすく、ハラスメントだけではなく労働基準法(労基法)などの基本的なルールも守られていない傾向にあります。

特に深刻なのは「5.腹を割って話せない職場」です。

ハラスメントに発展しかねないトラブルがあったとしても、当事者間の対話で解決することは多々あります。しかし、対話に持っていくことも不可能なほど関係性に断絶があると、訴訟も含め、深刻な事態になることもあります。これは、職場内に信頼関係がないことが原因です。

ハラスメントに悩んでいる経営者や人事担当者、管理職のみなさんにはぜひこの職場の要件に自分の職場が該当していないかを確認し、改善に向けて取り組んでほしいと思います。

ハラスメントが起きやすい職場の特徴のポイント
●ハラスメントが起こりやすい職場には一定の傾向がある
●不公平、プライベートゼロ、きつい仕事で社内でのメンバーバランスも悪く本音で話すことができない、ハラスメントに関する周知がない職場では、ハラスメントが起きやすい
●特に本音で話せない職場ではトラブルが即ハラスメントに発展する

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【職場で起こるハラスメントを分類】

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