「ハラスメントが起きやすい職場」かどうかがわかる6つのNGサイン――"パワハラ相談"を受けてきた社労士が解説

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1.不公平な職場

合理性のない人事異動や転勤、配置転換が頻繁に行われたり、上司や経営者の裁量で一方的に人事に関する処遇が行われていると労働者が感じている職場では、ハラスメントが発生しやすい傾向があります。こうした職場では、企業の人事権が人質のように作用してしまうためです。

また、不透明な評価基準によって昇給・昇格、降給・降格が行われている場合、労働者が企業に対し不信感を覚え、その不信感をハラスメントとして別の労働者にぶつけてしまうというケースもあります。

飲み会を断りにくい雰囲気がある

2.プライベートを犠牲にさせる職場

親睦目的の社内行事や飲み会は自由参加であるはずですが、事実上の強制参加になると、ハラスメントが発生しやすい傾向にあります。

リクルートワークス研究所の調査(*1)では、「業務外の職場でのイベント参加(飲み会など)を断りにくい雰囲気がある」職場が、すべての項目の中で、ハラスメントを見聞きした確率のトップになりました。

こうした職場では、参加することが当然とされ、参加しないことによって不当に低い評価を受けることがあります。それが周囲にも受け入れられてしまうので、職場ぐるみのいじめにつながりかねません。

暗黙のうちに肯定してしまう社風はハラスメントの温床になります。

3.きつい職場

KPI(重要業績評価指標)として定量的なノルマを課している、人命に影響する、多人数の利害関係者の調整が必要であるなど、1人ひとりの行動に対するプレッシャーが強くかかる環境は、ハラスメントが発生しやすいことがわかっています。

また、そうした職場は属人的な業務が多くなりがちで、残業時間が増える傾向があります。

事実、労働者がハラスメントを見聞きしている業種としては医療・福祉業、公務がそれぞれ26%を超えており、次いで金融・保険業、製造業の23%と続きます(*1)。

これらの職場では責任が重かったり、成績を競うことを社員同士で求められたり、部署のKPI達成を連帯責任によって達成することが要求されます。プレイヤーとして結果を出すことが強く求められ、労働者を精神的に追い詰めます。

4.バランスの悪い職場

男性ばかりで女性が少ない、育児や介護をしている社員が少ない、中途入社が少ない、社員の年齢層が一定の世代に偏っているなど、社員の属性のバランスが悪い職場ではハラスメントが生じやすくなります。

こうした職場ではマネジメントコストが低下して企業側としては管理しやすいのですが、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)も強化されやすい環境でもあります。

また、同調圧力も働きやすく、社内における「べき論」に疑問を持ちにくくなります。無理になじもうとすることで、前述2や3の職場になることもあり、その軋轢がハラスメントとして現れてきます。

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