朝ドラ【あんぱん】やなせたかし、『アンパンマン』のアニメ開始も憂鬱だったワケ

陰鬱なムードのなかアニメ化が実現する
絵本がついに発刊されたものの、反響が芳しくなかった『あんぱんまん』。だが、ミュージカルになったり、子ども達の間で徐々に人気になったりと、大ブレイクに向けて小さな兆しは現れていた。
「高く飛ぶためには、おもいっきり低くかがむ必要があるのです」
そんな言葉を言ったのは、ノーベル生理学・医学賞を受賞した医学者の山中伸弥だが、アンパンマンの場合は、テレビアニメ化されたことで人気に火がつき、大きく飛躍することになる。
やなせのもとにアンパンマンのテレビ化が持ちかけられたのは、昭和59(1984)年から昭和63(1988)年にかけてのことだが、さすがそこは不人気のアンパンマンである。全く順調ではなく、NHKの話はキャンセルになり、日本テレビのほうも当初は反対が強く、話が進まなかった。
しかし、日本テレビのプロデューサー・武井英彦は諦めることなく、何度でも企画を提出。武井は、自身の息子が通う幼稚園で『あんぱんまん』の絵本だけ、手垢にまみれてボロボロだったことから、教師たちに理由を聞いたことがあった。答えは「子どもたちがとにかくたくさん読むから」というものだったという。
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