朝ドラ【あんぱん】やなせたかし、『アンパンマン』のアニメ開始も憂鬱だったワケ

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イメージ(写真:patchii / PIXTA)
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NHKの連続テレビ小説「あんぱん」が、放送回を重ねるごとに注目を集めているようだ。漫画家のやなせたかしと妻の暢(のぶ)をモデルにした物語である。やなせたかしといえば、子どもたちに人気の「アンパンマン」の作者として知られているが、ブレイクしたのは69歳のとき。30代でマンガ家デビューを果たして以来、長く不遇の時代を経験している。遅咲きだったやなせたかしは、いかにして飛躍したのか。『大器晩成列伝 遅咲きの人生には共通点があった!』の著者で偉人研究家の真山知幸氏が解説する。
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陰鬱なムードのなかアニメ化が実現する

絵本がついに発刊されたものの、反響が芳しくなかった『あんぱんまん』。だが、ミュージカルになったり、子ども達の間で徐々に人気になったりと、大ブレイクに向けて小さな兆しは現れていた。

「高く飛ぶためには、おもいっきり低くかがむ必要があるのです」

そんな言葉を言ったのは、ノーベル生理学・医学賞を受賞した医学者の山中伸弥だが、アンパンマンの場合は、テレビアニメ化されたことで人気に火がつき、大きく飛躍することになる。

やなせのもとにアンパンマンのテレビ化が持ちかけられたのは、昭和59(1984)年から昭和63(1988)年にかけてのことだが、さすがそこは不人気のアンパンマンである。全く順調ではなく、NHKの話はキャンセルになり、日本テレビのほうも当初は反対が強く、話が進まなかった。

しかし、日本テレビのプロデューサー・武井英彦は諦めることなく、何度でも企画を提出。武井は、自身の息子が通う幼稚園で『あんぱんまん』の絵本だけ、手垢にまみれてボロボロだったことから、教師たちに理由を聞いたことがあった。答えは「子どもたちがとにかくたくさん読むから」というものだったという。

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