
フクロウ飼育には、人生の半分を捧げる覚悟が必要
ガルーは、今年の秋で10歳になる。フクロウの寿命は長く、30年以上生きる個体もいるというから驚きだ。その間どれほど飼い主側の状況が変わっても、毎日のエサやりや世話が続く。
ただし、実際はそこまで長く生きる個体は少ないと、げんさんは言う。10歳のガルーは、すでにフクロウ仲間では「年長」の部類に入る。
「フクロウって、本当にストレスに弱い生き物なんです。一度、ガルーがけがをして診てもらったときも、『けがは治っても、けがをしたショックで死んでしまうかもしれない』と言われました。そのくらい、繊細な生き物なんです」
だからこそ、気候が大きく変わる時期を乗り越えるたび、無事に誕生日を迎えるたび、「今年も乗り越えられた」とほっとする。
小型のフクロウなら、都会の一人暮らしでも飼えないわけではない。しかしやはり、犬や猫よりも飼育は難しいと言わざるをえない。元気に育ったとしても、自分の人生を半分捧げる覚悟がなければ飼うべきではないと、げんさんは思っている。
「元気で、生きていてくれるだけでいいんです。一番幸せなのは、リビングからガラス越しに、ガルーがぐっすり眠っているのが見えたときかな。フクロウは下まぶたを持ち上げて目を閉じるので、にっこり笑っているように見えるんです。たまに力が抜けて、ガクッとなったりして。『ああ、安心してくれているんだなあ』って、うれしくなるんです」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら