日立、V字回復後に襲った「息切れ感」

3000人削減の次に試される成長戦略

日立は慎重な決算見通しを掲げたが、中西会長はあくまで「社会イノベーション」の意義を強調した

減速感が見えてきた。

2009年3月期に製造業で過去最大となる、7873億円の最終赤字に陥った日立製作所。その後、V字回復をし、2014年3月期と2015年3月期に連続で過去最高を更新した。快進撃を続けてきた日立に、息切れの様子が窺える。

10月28日に発表した2016年3月期上期(4~9月期)決算は、売上高が前期比6%増の4兆8068億円。営業利益は4%増の2740億円と、上期では過去最高を記録した。

好調だったのは、情報・通信システム部門の金融機関向けシステムや、電子装置・システム部門における医用分析装置、半導体製造装置事業だ。加えて、グループ横断のコスト削減を目指す「日立スマートトランスフォーメーションプロジェクト」も奏功。7~9月期だけで560億円のコストを低減し、利益押し上げに貢献した。

下期に不安視される建機

上期で過去最高益を達成、一見すると日立は順調な決算に見える。だが、当初の上期営業利益予想より、540億円も上振れしたにもかかわらず、通期の売上高9兆9500億円、営業利益6800億円の予想は据え置いた。中村豊明副社長は「通期は(世界経済が)不透明なので変更していない」と説明。下期は主要7部門中、4部門が下方修正の見込みとなっている。

特に不安視されているのが、建設機械部門だ。通期の部門営業益は、前期の598億円から290億円へと、半減を予想。中国経済の減速に伴い、中国だけでなく、オーストラリアなどの資源国でも、建機需要が縮小していることが背景にある。さらに社会・産業システム部門でも、下期にかけては中国で昇降機が落ち込むとみられる。「1~8月でいうと、前年に対して数十%、受注が落ちている」(中村副社長)。この受注減の影響は2016年1~3月期に出る見通しだ。

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