東芝と日立製作所の現状を分析する

東芝は不適切会計問題を乗り切れるのか?

東芝の不正会計問題はいつ終わりを迎えるのか。ライバルの日立と比べると、「東芝の焦り」が浮き彫りになる(撮影:尾形文繁)
東芝の異常事態が長期にわたっています。一部のインフラ事業で不正な会計処理があった同社が、2015年3月期の業績予想を未定としたのは5月8日。結局、決算発表は株主総会にも間に合わず、6月以降に延期されるとのことです。最終的にどれだけの利益が引き下げられるのかは、まだわかりません。いずれにしても、一刻も早い真相解明のために、東芝は必要な情報提供を急ぐべきです。
現時点(6月17日)で不適切会計問題の全容はまだ明らかになっていませんが、多くの読者にとっての興味は「東芝はこの問題を乗り越えられるのか?」という点ではないでしょうか。今回は、東芝の直近の決算内容(平成27年3月期 第3四半期)を、ライバル社の日立製作所と比較します。そのうえで、この問題について私の意見を述べたいと思います。

「不適切会計問題」はなぜ起こったのか

東芝の突然の発表に驚かれた方も少なくないと思います。なぜ、このような問題が起こったのでしょうか。

そもそもの発端は、2014年3月期に計上されたインフラ事業の収益でした。インフラ事業というのは、数年から数十年にわたって行われる息の長い事業です。このような長期のプロジェクトの原価や収益を計算するとき、一般的には「工事進行基準」という考え方を適用します。

これは、工事の進み具合によって、売上高や原価、利益を計上するというものです。工事の完成まで、決算期ごとに進行状況をチェックできるというメリットがある一方で、原価や進捗が意図的に操作できてしまうというデメリットもあります。

今回は、このデメリットが問題になったと言われています。報道によると、一部の工事で原価を少なく見積もったことで、過去3年間で合計約500億円もの利益が、かさ上げされていたというのです(6月12日の日経新聞朝刊によれば、インフラ事業のうち、「電力のスマートメーター」、「自動料金収受システム(ETC)」などインフラ9案件の会計処理で疑念が生じた、と報道されています)。

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