ヤマダ電機とビックカメラを分析する

50店以上大量閉店、追い込まれるヤマダ電機

なぜヤマダは都心型店舗を今後重視するのか(撮影:梅谷秀司)
家電量販店の最大手ヤマダ電機が、5月末に不採算店舗46店を一斉閉店しました。6月末にはさらに追加で11点閉鎖との報道も出ています。そのほとんどが地方郊外型であり、地方での採算悪化が浮き彫りとなりました。これまでも不採算店舗閉鎖はありましたが、月に1〜2店のペースでしたから、今回の一斉閉店はかなり大規模だったと言えます。さらにこうしたニュースの背景には、売上高の低迷や利益率の低下があります。今回は、現在のヤマダ電機が置かれている状況を分析します。

 

一方、同業界シェア2位のビックカメラは好業績を維持しています。ヤマダ電機との間で、何が勝敗を分けているのでしょうか。こちらも決算内容を見ながら考察します。

なぜヤマダ電機は大量閉店に踏み切ったのか

ヤマダ電機の平成27年3月期決算(2014年4月〜2015年3月)を見ていきましょう。損益計算書(7ページ)から業績を調べると、売上高は前の期より12.1%減の1兆6643億円。売上原価もそれに伴って減少し、14.9%減の1兆2263億円。粗利である売上総利益は3.3%減の4380億円となりました。

ところが、売上高が減少したにもかかわらず、販管費はほぼ横ばいだったことから、営業利益は41.9%減の199億円となりました。

収益を落とした理由は、どこにあるのでしょうか。ヤマダ電機の言い分としては、昨年4月の消費増税による反動減が想定以上に大きかったということ。さらに、少子高齢化や人口減少などの影響が重なって家電製品の売り上げが落ち込んでいることが重なったということです。

確かに売上高、営業利益ともに落ち込んでいます。まだ黒字を確保していますが、最終利益である当期純利益も93億円です。収益率を改善する必要があるのです。具体的には、大量閉店により収益力の改善を図ろうとしているのです。後半部分で説明するビックカメラとは利益率で大きな開きがあります。

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