ある意味、ヤマダ電機は「大衆向け」のお店です。店舗のレイアウトは、たくさんの人が移動できるように広い店舗に広い通路が設けられ、商品が手に取りやすいように低めに陳列されています。品揃えに関しても、売れ筋商品がたくさん並べられているという印象です。逆に言えば、決して品揃えが豊富というわけではありません。
ヤマダは都心部重視で収益力を高められるか
一方、ビックカメラはもともとカメラの専門店でしたから、ヤマダ電機より専門性の高いお店という印象があります。品揃えには力を入れており、店舗に入ると、ヤマダ電機ほどのゆとりはありませんが、高い棚にぎっしりと商品が並べられています。
カメラに限らず、家電からAV機器、パソコンまで商品のラインナップが豊富です。さらに言えば、ビックカメラの販売員は商品知識がより豊富で、電化製品を求める人にとっては選びやすい環境がつくられているのではないでしょうか。
こうした点を考えると、2社の床面積あたりの売り上げには大きな差があり、それが収益力に反映されているのではないかと思います。また、品揃え豊富なビックカメラを愛用する人が多いという要素もあるのではないでしょうか。
以上の点から、ヤマダ電機の最大の課題は「収益力の向上」であると言えます。さらに今は、先ほども説明しましたように、企業全体においてROE重視の傾向が強まっていますから、なおさら利益率を上げていかなければなりません。
同社は、地方の不採算店舗を一気に閉店し、都市部の店舗に注力していく戦略をとろうとしています。都市部の店舗は収益力が高いだけでなく、ビックカメラのように訪日観光客の需要も見込めるからです。こうした戦略が功を奏するのか、今後の決算に注目です。
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