イオンとセブン&アイHDを分析する

「脱デフレ戦略」で明暗、差が広がる小売2強

イオンはセブンに営業利益では2倍以上の差をつけられた(撮影:尾形文繁)

小売りチェーンの二極化が進んでいます。総合スーパーマーケット事業を主力とするイオンは、昨年4月の消費増税後には節約志向が高まると見込み、今まで以上に低価格路線を強めようとしましたが、2015年2月期決算では増収減益となりました。3期連続の減益です。一方、コンビニ事業に主軸を置くセブン&アイHDは、5期連続で過去最高の営業利益を稼ぎ出しています。

昨年のコラムでも解説したように、総合スーパー事業とコンビニ事業とでは利益率が大きく異なります。しかし、2社に差がついた理由はそれだけではありません。今回は、改めてイオンとセブン&アイHDの最新決算を分析します。

人件費増をコントロールできなかったイオン

まずはイオンの平成27年2月期決算(2014年3月〜2015年2月)から見ていきましょう。

損益計算書(16ページ)から業績を調べますと、全事業の売上高にあたる営業収益は、前の期より10.7%増の7兆0785億円。これに伴って営業原価も10.3%増え、営業総利益(営業収益−営業原価)は11.4%増の2兆5261億円となりました。ここまではまずまずの状況です。

ところが、販売費及び一般管理費が13.7%も増えてしまったため、営業利益は17.5%減の1413億円となりました。

販管費の内訳を見ますと、特に増えているのは従業員の給料や賞与、福利厚生費などです。この理由は、何でしょうか。2013年8月、イオンはダイエーを連結子会社としました。そこでダイエーの勘定科目がすべて合算されたわけですが、この期は連結の影響が通期で出たために、売上高や原価の増加とともに、販管費が大幅に増えているのです。その中で人手不足の影響もあり、またダイエーの連結もあって、人件費の増加を十分にはコントロールできなかったと考えられます。

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