ヤマダ電機とビックカメラを分析する

50店以上大量閉店、追い込まれるヤマダ電機

次に、貸借対照表(8~9ページ)から安全性を調べてみましょう。自己資本比率は32.5%ありますから、ヤマダ電機ほどではないものの、十分安全な水準です。短期的な安全性を示す流動比率(流動資産÷流動負債)101.2%ありますから、こちらも全く問題ありません。

2社の明暗を分けたのは何か

初めに分析したヤマダ電機は減収減益となったにも関わらず、ビックカメラは増収増益となっています。利益率でも大きな差が出ています。この差はどこで開いているのでしょうか。

まず注目したいのは、売上高営業利益率です。両社の収益を比較すると、ヤマダ電機は売上高1兆6643億円に対し、営業利益は199億円。ビックカメラは売上高8298億円に対し、営業利益は190億円。

売上高自体は、ヤマダ電機の方がビックカメラの2倍もあるのですが、営業利益はほとんど同じなのです。売上高営業利益率(営業利益÷売上高)を計算すると、ヤマダ電機は1.2%、ビックカメラは2.3%と、ほぼ倍の差があります。

なぜでしょうか。考えられるのは、戦略の違いです。ヤマダ電機は全国で960店舗(直営店)展開しており、人口の少ない地域にも積極的に店を構えています。しかも、大半は郊外です。一方、ビックカメラも全国展開していますが、駅前出店に特化した38店舗しかありません。

つまり、1店舗あたりの売上高がまるで違うのです。単純に「売上高÷店舗数」で計算しますと、ヤマダ電機の1店舗あたりの売上高は、16億円(※海外店舗含む)。ビックカメラ(単体)は、117億円となります。かなり大きな差があることが分かりますね。

もうひとつは、それぞれの店舗の性格の違いではないかと思います。これは主観ですが、ヤマダ電機とビックカメラを訪れると、同じ家電量販店でも印象が結構異なります。

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