苦戦のタカタと、アイシン精機を分析する 2社を比較すれば、自動車の未来がわかる

✎ 1〜 ✎ 64 ✎ 65 ✎ 66 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
エアバック問題で記者会見に臨むタカタ。中央が高田重久会長兼社長(撮影:尾形文繁)
自動車部品大手タカタのエアバッグ問題が拡大しています。同社製のエアバッグに欠陥があることが判明し、全世界でリコール(回収、無償修理)が進められています。
その対象車は、現時点で国内は約784万台、全米では約3400万台、全世界では合計で約5000万台規模に達する見込みです。まだ調査中の段階ですから、今後もさらに拡大する可能性があります。
リコール費用がどれだけ膨らむのか、いまだに見通しが立ちません。タカタはこの問題を乗り切ることができるのでしょうか。最新の決算(平成27年3月期)を分析しながら、今後のシナリオを考えます。

リコールに伴う製品保証引当金は、どうなった?

まずは損益計算書(14ページ)から業績を見ていきましょう。売上高は前の期より15.4%増の6428億円。売上原価もそれに伴って増加し、売上総利益(粗利)は15.5%増の1044億円。本業の儲けにあたる営業利益は、25.4%増の329億円となりました。

営業損益段階で好調な理由の一つは、リコールに伴って、エアバッグの交換用部品を増産しているからだと思われます。それを裏付けるかのように、キャッシュフロー計算書(18ページ)からは、かなり積極的に設備投資をしている様子が読み取れます。

設備投資を示す「有形固定資産の取得による支出」が341億円の支出。これは、減価償却費191億円をはるかに超えていますし、前の期より2倍も増やしていますから、生産設備を急速に拡大させていることがわかります。

次ページリコール関連は、どう処理されているのか?
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事