苦戦のタカタと、アイシン精機を分析する 2社を比較すれば、自動車の未来がわかる

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一般的には、こういった大きなトラブルの最中には、設備投資を増やすようなことはしませんので、リコール対策の設備増強ではないかと考えられます。

損益計算書に戻ります。問題は特別損失です。「製品保証引当金繰入額」が526億円、「リコール関連損失」が29億円計上されていますね。これは、決算の段階で確実に予見される分だけを引き当てており、およそ950万台分と言われています。

タカタは950万台分の費用しか計上していない

今のところ、リコール費用の多くは各自動車メーカーが負担していると考えられます。タカタ製エアバッグの欠陥が原因だとしても、完成車を販売している自動車メーカーが一義的には責任を負っているからです。

今年5月、米国の運輸省とタカタは、エアバッグに欠陥があるとして3400万台のリコール実施に同意しました。自社製品に問題があったと認めたのです。こうなると、当然ですが、リコール費用の大部分はタカタに転嫁されることになるでしょう。

現段階では、引当金は950万台分の費用しか計上されていませんが、リコール対象車は今、全世界で合計約5000万台に達しています。

先ほどの引当金の額と車の台数から逆算すると、1台あたりのリコール費用が約5800円強ですが、5000万台ならば、約2900億円にも上ります。整備費用や交換部品費、輸送費などの費用をすべて含めると、1台5800円で済むとは限りません。その点を考えると、費用がさらに膨らんでいく可能性があるのです。

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