大逆風のベネッセと学研を分析する

教育産業は2018年問題を乗り越えられるのか

新規事業について説明するベネッセHDの原田泳幸会長兼社長(左)(撮影:風間仁一郎)
急速に進む少子化に備え、教育業界に大きな変化が起きています。5〜14歳の子どもの数は1980年以降、減少の一途をたどっており、2015年は約1000万人、2040年には750万人を切る見通しです。少子化が原因で2018年を境に大学の受験者数が急減する「2018年問題」も迫っています。そこで、教育各社は生き残りを賭けて、介護事業や海外教育事業などを始めたり、他社の買収や再編を繰り返しています。
ただ、意外かもしれませんが、今のところ教育市場自体はそれほど縮小していません。確かに子どもの数自体は減ってきていますが、中学入試を希望する子どもの数や、大学進学をする人の数が伸びているのです。
今回は、教育業界の現在と先行きを考えるため、シェア1位のベネッセと、2位の学研を分析します。特にベネッセは、皆さんもご存じの通り、2014年7月に個人情報流出事件が起こりました。これがどこまで影響しているのか、という点も含めて考えていきます。

個人情報流出事件のダメージが響くベネッセ

まずはベネッセの平成27年3月期決算(2014年4月〜2015年3月)です。

損益計算書(14ページ参照)から業績を見ると、売上高は前の期より0.7%減の4632億円。この主な原因は、主力の通信教育「進研ゼミ」と「こどもちゃれんじ」の在籍数が減少したことです。

冒頭でも触れましたが、昨年7月に約2895万件の個人情報が流出する事件が明るみになりました。これによって不信感を抱いた人が退会し、会員数は9.3%減少。その結果、本業の儲けである営業利益は、18.4%減の292億円となりました。

ただ、この影響は次の期まで続くと思われます。通信教育を含む教育事業というのは、多くは通年で契約しますので、春先に売り上げがほぼ決まります。ですから、何か不祥事があったとしても、途中でやめる人は少ないのです。

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