苦戦のタカタと、アイシン精機を分析する

2社を比較すれば、自動車の未来がわかる

もちろん、タカタがこの費用すべてを負担するかは不明です。同社の総資産は4754億円、純資産は1487億円ですから、タカタ1社では賄いきれない規模だからです。自動車メーカーがどれだけ負担するか、あるいは銀行が大規模な融資をするのか。いくつかのシナリオが考えられます。

タカタはエアバッグ問題をどう乗り越えるのか

6月30日の日本経済新聞に『タカタ、値下げ見送り要請 車各社に リコール費100億円捻出』という記事がありました。製品の納入先であるホンダやトヨタなどの自動車メーカーに、価格の値下げを見送るように要請したのです。

自動車部品の製造などの固定費を多く要する産業は、損益分岐点を超えると利益率が急に高まります。自動車メーカーはそういった事情を見込んで、同じ部品を追加注文するときに「値下げをして欲しい」と要求するのです。

しかし、タカタはこれから巨額のリコール費用を捻出しなければなりませんから、各自動車メーカーに対して「値下げを要求しないで欲しい」とお願いしました。値下げがなくなれば、年間で収益が100億円程度改善すると見込まれており、その分はリコール費用に充てられるとのことです。もし、この要請に自動車メーカーが応じた場合、事実上、タカタへの支援が行われたということになります。

もちろん、これだけで解決する問題ではありません。今後のシナリオとして有力なのは、自動車大手のホンダが、タカタを救済するのではないかというものです。

なぜホンダかといいますと、タカタのエアバッグ事業には、ホンダが深く関わっているからです。元々、タカタは織物会社でしたが、1960年にシートベルトの製造を始め、自動車部品事業に進出していきました。

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