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政治・経済・投資 #小宮一慶の会計でわかる日本経済の論点

東芝と日立製作所の現状を分析する 東芝は不適切会計問題を乗り切れるのか?

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このように2社を比較すると、事業規模、収益率、資産規模、安全性という点において、東芝より日立のほうが総じて上回っているのです。だいぶ差がついているとも言えます。

先ほど、東芝の問題の原因は予算達成目標を高くしていたからだという話をしました。この一因として、東芝には他社との競争を意識していた部分が強かったのではないかと思います。

2008年に起こったリーマンショック以降、東芝の業績は急速に悪化していました。しかし、それ以前から行われていた構造改革、重電へのシフトといった戦略が功を奏し、見事に回復したのです。

これは日立も同様でした。以前、過去のコラム「『勝ち組』日立・東芝と『負け組』ソニーを分析」でも解説しましたが、事業別の業績をまとめたセグメント情報を見ますと、2社ともに情報システム事業やインフラ事業などのBtoB事業で稼いでいることがわかります。

ただ、今回見てきましたように、2社の間には大きな差がついてしまっています。戦略も事業内容も似ている部分がありますから、東芝はライバル社との差を意識していた部分が少なからずあったのではないかと思うのです。

東芝の決算、注意すべき点はどこか

東芝は、今回の不適切会計問題を乗り越えられるのでしょうか。今後に発表されるという2015年3月期決算で注意したいポイントがいくつかあります。

ひとつは、営業利益がどれだけ修正されるかという点です。冒頭でも触れましたが、報道によると、2012年3月期からの3年間で累計500億円強の利益がかさ上げされていたということです。東芝の事業規模から見ると、500億円程度の減額で済むのであれば、財務上のインパクトはそれほど大きくはないと思います。

しかし、この金額は一部のインフラ事業にかかわるものだけです。今後の調査結果によっては、不正の規模が拡大する可能性があります。

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【意外に少ない現預金、円安による悪影響も】

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