まるで「一筆書き」のようにスイスを巡る"パノラマ鉄道"の醍醐味――乗客を魅了する8路線・1280キロの旅《現地ルポ》

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チェントヴァッリ鉄道とBLS鉄道でロカルノからイタリアのドモドッソラ、そしてブリークへ

ベリンツォーナから少し西に位置するロカルノで1泊。ここは「ロカルノ映画祭」で有名な街だ。

翌日、そこから乗ったのはチェントヴァッリ鉄道だ。グランドトレインツアーに正式には含まれていないが、同ツアーの案内アプリにも「観光地の接続ルート」として紹介されている。前述した路線図の中央下のほう。スイスとイタリアを結ぶヨーロッパ大陸ならではの路線だ。

今まではずっと10両くらいの長い編成だったのに、ここはたった3両。豪華さもほとんどない。山間部を抜けるこぢんまりした列車だが、座席もしっかりしていて、揺れも大きくない。

運転席越しに見る景色が最高

この路線は山脈に並走するのではなく、いくつかの山脈を横切るように切り開かれている。

当然、カーブは多いわ、トンネルも頻繁に現れるわ、谷底まで数十mはあるような橋は通るわ、片側は削り取られた岩肌がそのまま残っている場所は多いわで、計器を見ても時速30~40kmくらいでしか走っていないのになかなかスリリング。

運転席のうしろから前方を見るのが好きな「乗り鉄」には楽しくてたまらないルートだ。

カーブの多い区間をゆっくり走る。運転席のうしろからの眺めが楽しい(写真:筆者撮影)

約1時間50分、山岳列車の旅をたっぷり楽しんだあと、イタリアのドモドッソラ駅に到着。ここでBLS鉄道の特急に乗り換える。

グンと力強さがあふれる車体(写真:筆者撮影)
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