郡山市内で放射線被曝に関する健康相談会が開催、父母が日ごろ声に出せない悩みを吐露
福島第一原発事故から1年以上が経過した現在も高い放射線量が続く福島県郡山市--。子どもの健康に不安を抱く父母を対象とした医師による健康相談会が4月14日、市内で開催され、23組の親子が相談に訪れた。
「こども健康相談会in郡山」を主催したのは、市民グループの「安全・安心・アクションin郡山」(スリーエー郡山)。中学3年生の息子を持つ同グループメンバーの根本淑栄さんは、「放射能に関する疑問や誰にも相談できない悩みを持っている方々に参加してもらいたいとの思いから相談会を開催した」と語った。
相談会では「子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク」に加入する医師が健康相談を担当したほか、全国各地で福島県在住の親子の一時避難(保養)を支援しているボランティア団体がブースを構えて子どもの受け入れについて相談に応じた。
健康相談会に訪れた父母からは、「原発事故後、親子とも体調を崩すことが多くなった」など切実な相談が寄せられた。
取材に応じた郡山市内で小学5年と3年の子どもを持つ母親は、「放射性物質を不用意に体内に取り込まないための注意点について詳しく説明を聞くことができた」と語った。小学2年生の男の子の母親も「参加してよかった。ふだん、かかりつけ医から聞くことのできない放射能のリスクに関する情報を得ることができた」と話した。
多くの母親が口にしたのが、市内で進められている“安全キャンペーン”への疑念だった。前出の小学校2年生男子の母親はかかりつけ医に他県への避難の必要性について尋ねたところ、「避難すると家族がバラバラになるなどデメリットのほうが大きい。交通事故で亡くなった人もいる。郡山に住み続けたほうがいい」という説明を受けたという。