「競争」から降りて自分らしく生きるにはどうすればいいか?――哲学者が教える「人と争う心が自分を壊す理由」

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人形の行列
現代社会に蔓延する「競争」の仕組みと欠点について、「列」に並ぶことにたとえて考えてみましょう(写真:HiroS_photo/PIXTA)
学校、仕事、SNSで、私たちは常に誰かとの「競争」にさらされています。
QuizKnockの運営会社で活躍する哲学者・田村正資氏は、その競争原理がときに「いじめ」を生み、知らず知らずのうちに自分を傷つける「呪い」になると分析。健全な価値創造のために、競争の正体とその向き合い方を考えます(『この時代を生きるための 独自性のつくり方』より、一部抜粋・編集してお届けします)。

競争から抜けられないメカニズム

中村文則の『列』という小説があります。

この小説では、現代社会を生きる人間は誰かと比較したり競争したりすることをやめられない生き物だということが、競争や比較を極度に抽象化した「列」というモチーフで表現されています。

この小説の登場人物たちは、いつのまにか、何の列かも、どこまで続いているのかもわからない「列」に並んでいます。

抽象的な「列」に並ぶ人々と、その心理を描くその筆致は、ラーメンズのコントのようにシュールな魅力を備えています。

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