「客の多くが喫煙者なのに」と不安視されたが…串カツ田中「全面禁煙」で"イメチェン大成功"の背景

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食後のソフトアイス作りでは、スタッフが一緒にソフトアイスメーカーまでエスコート。「コーンかカップか」迷っている息子に、「じゃあ両方ね!」と、カップのソフトアイスにコーンをトッピングする方法を提案してくれた。

さらにそのスタッフが、「アイス作りに挑戦します!」と大きな声をかけると、カウンターの他のスタッフが口々に「がんばれ!」と声援を送ってくれた。

ソフトアイスにコーントッピング
カップで作ったソフトアイスにコーンをトッピングしてくれた(筆者撮影)

これらはマニュアルに載っていない。現場で「お客様を笑顔にする」理念を体現しようとしたスタッフの判断だ。串カツ田中は「マニュアルを守らせる組織」ではなく、「理念を共有し、各自が理念を体現する組織」になっている。そのためアルバイトであっても、ブランドを形作る担い手になるのだ。

体験価値は子供だけでなく、大人向けにも充実している。自分で作るポテトサラダ550円やだし巻き玉子440円、「田中のおにぎり」572円などの参加型メニューが豊富に用意されている。

田中のおにぎり
自分でにぎってつくる「田中のおにぎり」(写真提供:串カツ田中)

なかでも、「チンチロリンドリンク」は創業初期のスタート時から名物となっている。ジムビームハイボールやレモンサワーなどを対象に、サイコロ2個を振って、その出た目で、「半額」「無料」「メガジョッキ(倍量倍額)」「メガジョッキ無料」が決まるサービスだ。

チャレンジ時に鳴らされる鈴と、体験を楽しむ人々の歓声が重なって、店内は賑やかな空気に包まれる。

チンチロリンドリンク
店内のあちこちで、「チンチロリンドリンク」へのチャレンジ時に鳴らされる鈴と、客の歓声が響く(写真提供:串カツ田中)

マニュアルを超えた「心のこもった接客」

訪れた家族客にインタビューしてみると、口々に、ポジティブな声が聞かれた。

「初めて子供と来たけれど、じゃんけんやアイスクリーム作りの時、子供を盛り上げてくれて本当に良かった」

「楽しい雰囲気だし、すごく子供に優しく接してくれた」

この賑やかさと温かさの源となっているのが、「自分で考えるスタッフ」の存在なのだ。

だし巻き玉子づくり
親子でだし巻き玉子づくりに挑戦も(筆者撮影)

このようなスタッフは、どうやって育まれているのか?  後編ー串カツ田中「自分で考えるバイト」生む組織づくりでは、串カツ田中が生み出した「独自の人事制度」と、年商200億円企業を支える「組織力の正体」に迫る。

笹間 聖子 フリーライター・編集者

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ささま・せいこ / Seiko Sasama

フリーライター、時々編集者。おもなジャンルはホテルビジネス、幼児教育、企業ストーリー。編集プロダクション2社を経て2019年に独立。ホテル業界専門誌で16年間執筆を続けており、ホテルと経営者の取材経験多数。「週刊ホテルレストラン」「ダイヤモンド・チェーンストアオンライン」「FQ Kids」などで執筆。企業のnote発信サポーター、ブックライターとしても活動。大阪在住。

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