
ジムビームハイボールやレモンサワーなどを対象にしたサービス「チンチロリンドリンク」で盛り上がる様子。サイコロ2個を振って、その出た目で、「半額」「無料」「メガジョッキ(倍量倍額)」「メガジョッキ無料」が決まる(写真提供:串カツ田中)
ライター・編集者の笹間聖子さんが、誰もが知る外食チェーンの動向や新メニューの裏側を探る連載。第14回は、社員から不安視された経営判断が、なぜ33億円の利益改善を生んだのか──。客の多くが喫煙者だった串カツ田中が、業界初の全面禁煙に踏み切り、9カ月連続減収の「暗闇」を抜けて年商200億円企業になるまでの全貌に迫ります。
ディズニーランドより串カツ田中
「ママ、今日もあの店行こう!」
小学生の息子が、しきりに行きたがる店がある。東京ディズニーランドよりもユニバーサル・スタジオ・ジャパンよりも、さらに大阪・関西万博よりも行きたがる店。それが『串カツ田中』だ。
19才以下には、「じゃんけんに勝ったらドリンク無料」「自分でつくるたこ焼き無料」「自分でつくるソフトアイス無料」などのサービスがあり、スタッフに話しかけられる機会が多いからかもしれない。
ほかの家族も同様なようで、筆者がよく訪れる箕面店では、平日夜は2割、週末は7割が親子連れで賑わっている。

19才以下は最初の一杯に限り、スタッフとじゃんけんをして買ったらドリンクが無料になる(筆者撮影)
だが、この賑わいは決して“自然”に訪れたものではない。7年前、経営陣が「自殺行為」とまで言われた決断を下し、9カ月連続で売上が落ち込む“暗闇”を通過して、ようやく掴んだ光景である。
子供たちが笑顔でソフトアイスを作るこの店は、かつて客の9割が喫煙者だった。時々訪れる子供もタバコの煙モクモクの中で食事をしていた。 串カツ田中だけではない。居酒屋といえば喫煙が当たり前の時代だったのだ。
トピックボードAD
有料会員限定記事
ビジネスの人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら