近所の「野球少年」に家の瓦を割られたおじさん…突然、怒りがおさまった《名古屋ならでは》の事情
そこで、テレビ局の近くのコンビニに飛び込み、とにかくかさばる袋に入ったスナック菓子を、それこそ棚ごと、両手で持てる限界まで買い込みました。そしてそのまま、スタッフルームに飛び込みました。
いやー、大変申し訳ありません! と駆け込んできた大遅刻犯のほうを見ると、本人ではなくスナック菓子のお化けみたいなものがフラフラ歩いているのですから、みんなあっけにとられてしまいました。
寝坊したことで一番迷惑をかけたであろう女子アナのほうに向かい、スナック菓子の山のなかから謝りました。
「ちょっと野呂さん、こんなもの買ってくる暇があったら、あと15分は早く来られましたよね⁉」
もう表情は笑っています。
「いやー、30分は巻けたかもしれないです。でも△△さん、お菓子好きでしょ?」
「こんなに食べられるわけないでしょ!」
こんな雰囲気になり、小腹が空いているほかのスタッフたちも寄ってきて「大遅刻の野呂先生のおかげで美味しい差し入れをいただきました」なんておちょくられます。こうして何とかいいムードを取り戻すことに成功しました。
ただ詫びるだけなら、誰にでもできます。本当にそれが申し訳ないと思うのなら、その失敗を脳みそからはみ出させるくらいのポジティブなサプライズを仕掛ける必要があると思うのです。それこそが本当の誠意だと思いますし、その処理が見事であれば、失点以上の得点を得ることだってできるはずなのです。
家の瓦を割られてカンカンに怒るおじさん
ビジネスにもプライベートにも、トラブルはつきものです。ときとして、さまざまな経緯から相手が激怒しているところに、許しを請いに行かなければならないことがあります。謝り方は、話し方の高度な応用と言えます。ポイントは、「共通点」です。
僕がまだ小学校低学年だった頃のことです。名古屋近くの新興住宅地で、みんなで高台から下のほうに向かって石を投げて遊んでいました。
すると誰かがコントロールミスして、近所の家の瓦を5~6枚割ってしまったのです。その家のおじさんはカンカンです。みんなで1度家に戻り、親に事情を説明してついてきてもらい、謝罪と弁償の説明のために出向くことになりました。
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