印象操作に成功すれば、たとえエリートたちや国民からあまり支持を得られなくても、少数の軍人が政府を倒すことができる

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ロンドン市の中心部を占める、いわゆるインナー・ロンドンはたかだか319平方キロメートルにすぎず、あなたはそのほんの一部――いくつかの道路や建物、2、3の橋――を支配下に置いているだけだ。

あなたが1000人の武装した男(あるいは女)を引き連れてロンドンに到着できたとしてもなお、政府転覆の試みにかかわっていないイギリス軍の人員がまだおよそ15万1000人残っていることになる。

彼らや軍の戦車、大砲、ヘリコプターに加えて、警察官たちも相手に回さなければならない。現実には、あなたはたいして多くを支配してはいない。

印象操作がカギとなる

だがあなたは、クーデターの成立は回避のしようがないという印象を与えることには成功した。

一般庶民がテレビをつけると、あなたの部下の兵士たちが映っている。彼らがラジオのスイッチを入れると、秩序を回復するために権力を掌握した軍隊を支持するように求める国王の声が聞こえてくる。

前首相はどこかの地下室に閉じ込められているので、姿が見えない。新政権は強力に見え、前の政権は弱々しく見える。

ジョンのような将校を説得してクーデターに加わらせたり、せめて邪魔をさせなかったりするためには、それがカギだ。

そして、たとえエリートたちや国民からあまり支持を得られなくても、少数の軍人がまさにこのようにして政府を倒すことができる。だからこそ軍は、どの独裁者にとっても重大な脅威なのだ。

(翻訳:柴田裕之)

マーセル・ディルサス キール大学安全保障政策研究所客員研究員

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Marcel Dirsus

ドイツのキール大学安全保障政策研究所の客員研究員。オックスフォード大学で学び、反政府武装勢力によるクーデターが未遂に終わった2013年にはコンゴ民主共和国で働いていた。政治をテーマとするニュースレターのThe Hundredを執筆し、NATOやOECDといった主要な財団や国際組織に助言を与えてきた。

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