権力研究の第一人者
ダッチャー・ケルトナーはニューエイジのカルトのグルではないが、権力の認知的な作用の研究に関しては、彼こそが学問上のグルだ。
プロサーフィンのツアーに難なく溶け込めそうな長いブロンドの髪を生やし、満面に友好的な笑みを浮かべたケルトナーは、彼が研究している虐待的な人の多くとは正反対だ。
私を自宅に迎え入れてくれたときに、彼が真っ先に投げ掛けた質問は、「もう、食事は済ませましたか?」だった。
カリフォルニア大学バークリー校のグレーター・グッド・サイエンス・センターと呼ばれる研究所で、ケルトナーは情動や感情、権力、畏怖、行動の動機の背後にある科学について、驚異的な量の研究を次々にこなしている。
他の研究者たちになんと5万8851回も引用された彼の研究が、ピクサーの映画『インサイド・ヘッド』の背後にある情動の科学の基盤の大半を形成していた。
彼は頻繁に、シリコン・ヴァレーの野心的なリーダーたちに助言している。アメリカ各地の超一流の心理学科で権力を研究している傑出した人々の多くは、かつて彼の指導の下で博士課程に在籍していた。
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