独裁者は悪行が上達する
学習は、権力を獲得し、手放さずにいるための必須の要因だ。そこから錯覚が生じる。データを分析すると、誰かが時とともにしだいに悪質になっているように見えるだろう――権力がその人を腐敗させているように。
だがじつは、その人の悪意は変わっておらず、腕が上がっただけかもしれない。その人は、常に腐敗していた。ただ、悪行が上達しただけなのだ。
独裁者や専制君主の間では、この現象には名前がついている。「独裁支配学習(authoritarian learning)」だ。
独裁者たちがサミットを開いて、考え方を共有することがある。もしそれが学会だったなら、「抗議運動の粉砕――事例研究」といったセミナーや、「反体制派をどのように消し去るか」についてのパネルディスカッションが行われることだろう。
実世界の格別興味深い例としては、1958年に毛沢東がソヴィエト連邦の指導者ニキータ・フルシチョフをプールに迎えたときのことが挙げられる。



















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