クーデターのメカニズムは、3つのグループがかかわる、単純化された企てを思い描いてみれば、いちばん簡単に理解できる。
第1のグループは、クーデターを実行する人々だ。彼らは、力ずくで指導者を倒すために武装して集結する。たいていは軍に属しているが、元兵士の場合や、傭兵(ようへい)の場合さえある。
彼らが立ち上がる理由は、じつにさまざまだ。クーデターの実行者のほとんどは、次の3つの理由のうち、どれか1つのために政権を倒すことを望んでいる。すなわち、権力を掌握すること、不正と思われるものを正すこと、富を得ること、だ。
クーデターを企てている人は、不正な支配者を退けることが動機だろうと、金儲けが動機だろうと、成功を信じている必要がある。
信じていなければ、わざわざリスクを冒したりはしない。なぜなら、独裁者を打倒する試みが失敗すれば、深刻な結果を招くことはほぼ確実だからだ。
あるアメリカの調査で最近わかったように、クーデターに失敗した者の60%以上は処刑されたり投獄されたりする。彼らは、銃殺されたり拷問されたりする。
クーデターにかかわる第2のグループは、クーデターの企画者の対極にいる独裁者とその側近だ。当然ながら、彼らは権力の座にとどまることを望んでいる。
それは、独裁的な政権では、権力を握っていれば、ありとあらゆる種類の特典が得られるからだけではなく、クーデターを企む人々が成功すれば、転落の度合いがはなはだしいからでもある。
両陣営ともに人数は少ない
クーデターを起こす側と起こされる側の両方とも、人数は少ない傾向にある。前者は、クーデターに参加する共謀者を多く募るのは危険だからだ。
政権を転覆する計画について、秘密を守れる人を10人見つけることは可能かもしれないが、100人見つけることはできるだろうか? おそらく無理だ。
そして、後者も少人数なのは、独裁的な政権は権力を上層部に集中しがちだからだ。その手の政権はピラミッド形に構成されていて、ほんのひと握りの人が頂点で利益の大半を得ている。


















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