「働かせてもらえるだけで…」「迷惑なので連絡しないで」同僚の冷たい態度を横目に、なぜ非正規雇用女性(45)は1人で会社と闘ったのか
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非正規雇用契約で働き続けるユウコさんは、10年ほどまえに労働組合に加入した。「働き手の待遇をよくすることが、会社が掲げるSDGsやサスティナビリティの実現につながる」という信念がある(写真:編集部撮影)
就職氷河期時代をしぶとく生きてきた世代も、いつしか中高年と呼ばれる年齢になった。世代間の格差は広がり、貧困や生きづらさを抱えた彼らは、これからの人生をどう考え、生きようとしているのか。
労働、福祉問題を中心に取材活動を行う藤田和恵さんの連載。非正規雇用や貧困などを切り口に、今を懸命に生きる中高年の姿をリポートする。
労働、福祉問題を中心に取材活動を行う藤田和恵さんの連載。非正規雇用や貧困などを切り口に、今を懸命に生きる中高年の姿をリポートする。
就職氷河期世代の過酷さが凝縮
非常勤事務補助員、アルバイト、契約社員――。
ユウコさん(仮名、45)の履歴書には、初職から非正規雇用契約が並ぶ。よく見ると、同じ期間に複数の会社で働いていたこともわかる。給料が少なすぎてダブルワークをしなければ生活できなかったのだ。A4・1枚の書類に就職氷河期世代の過酷さが凝縮されている。
ただ彼女自身は「のらーりくらーりと生きてきました」と笑う。おおらかになれるのは、10年ほど前に加入した労働組合の存在が大きいという。
「“こうだったらいいのに”と思うことを会社に素直に言えています。だからそこまでの息苦しさを感じていません」(ユウコさん)
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