子どもがいる人は、ほぼ誰もがかかわることになるPTA(Parent-Teacher Association)。学校と保護者、地域との橋渡し役を期待されるこの組織には、さまざまな謎や問題が付きまといます。いったいPTAとどうかかわるべきか?『PTAをけっこうラクにたのしくする本』の著者・大塚玲子が迫ります。
※前回記事:「おやじの会」はPTAの代わりになれるか?
「お化け屋敷が怖すぎる」問題
先日、読者の方(仮に「Aさん」と呼びます)から、こんな悩みを伺いました。
Aさんの子どもが通う幼稚園では、毎年秋にハロウィーンのイベントを行っています。そのイベントではいつも、保護者の有志が「お化け屋敷」のコーナーを提供しているそうです。
ところが、そのお化け屋敷が「子どもには怖すぎる」とのこと。
当初は“ちょっと暗い部屋の迷路”という程度だったのが、年々エスカレートしていき、ここ数年は“ほぼ真っ暗な部屋”に。魔女やスケルトンの扮装をした保護者が待ち構え、逃げ惑う幼児を捕まえるなど、“大人でも苦手な人はムリ”というレベルになってしまったのだとか。
Aさんの娘は、怖いものが大の苦手。「娘を、そんなお化け屋敷に入らせたくない」と思ったAさんは、「もう少し“怖くないお化け屋敷”に戻してほしい」とほかの保護者にかけあいました。
ところが、ほかの保護者は「怖くなかったら、お化け屋敷ではない」と言って、とりあってくれません。
当初、幼稚園の側は「保護者同士の話し合いに任せる」というスタンスでしたが、Aさんとほかの保護者の対立が深まるにつれ、しだいに「お化け屋敷は怖くないとつまらない」という多数派の保護者につくようになっていきました。
すると、初めはAさんといっしょに声をあげてくれた数人の保護者も、だんだんと口を閉ざすように。Aさんは孤立し、もはや転園も検討せざるをえない状況にあるとのこと……。
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