なぜ保護者同士の対立は「泥沼化」するのか PTAでの"全否定合戦"を乗り越える方法

✎ 1〜 ✎ 13 ✎ 14 ✎ 15 ✎ 最新
拡大
縮小

ここまでの事態になることは珍しいかもしれませんが、こういった保護者間の意見対立は、PTAや学校ではよくあるものでしょう。

子どもに関することで、「どちらが正しい」とは言い切れないような意見がぶつかりあうのは、避けられないことです。

そんなとき、学校や園は“公式見解”を打ち出すのではなく、「声の大きい側」につくのが“普通” です。

声が大きいのは、多数派とは限りません。少数意見でも声の大きい人がいれば、学校や園は、そちらに従うこともしばしばあります。

しかし、「声が大きければ勝つ」というのは、それもまた野蛮な話です。

このような意見対立に陥ったとき、保護者はいったい、どうすればよいのでしょうか?

考えが違う人同士が、認め合うこと

この件については、Aさんもほかの保護者の人たちも、お互いに「自分とは違う考えを認める姿勢」が必要だったのではないかな、と思います。

他人の考えを変えさせようとしても、まずうまくいきませんし、それをする必要もないでしょう。

ただシンプルに、「やりたい人はやる、やりたくない人はやらない(参加したい子は参加する、参加したくない子は参加しない)」という形を確保できれば、それで済んだのではないかと思うのです。

まずAさんのほうは、「怖くないお化け屋敷にする」のではなく、「自分の子どもがお化け屋敷に参加しない」という方向で、話を進めてもよかったのではないでしょうか。

Aさんは、お化け屋敷をやめさせようとしたわけではありませんが、「怖いものでなくする」というのは、ある意味「お化け屋敷をやめよう」というのと同じところもあります。

一方で、ほかの保護者や幼稚園の側も、「お化け屋敷に参加しない子もいる」という前提でイベントを企画すべきだったのでは、と思います。

次ページ“全否定”では解決しない
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT