この「お化け屋敷」は、ハロウィーンイベントのなかで順番に行われる出しもののひとつとして組み込まれていました。すると、お化け屋敷に参加しない子どもは、そのコーナーの間、ただ待っていなければなりません。
「参加しない子もいる」という前提であれば、そういう子はその間にほかのことをしていられるよう、「なにか別の楽しみを用意する」とか、あるいはお化け屋敷をイベントの最後にもってきて、「先に帰宅できるようにする」などといった工夫ができたはずです。
そうすれば、ここまで対立が深まることはなかったでしょう。
Aさんも他の保護者も、幼稚園の側も、みんな「何でも全員で同じことをする」という考えに縛られすぎていたのではないでしょうか。
「やりたい人はやる、やりたくない人はやらない」という発想に転換すれば、それで困ることはなかったのでは、と思います。
“全否定合戦”ではらちが明かない
これはもちろん、「お化け屋敷」に限った話ではありません。
たとえば、先日この連載でとりあげた「ベルマーク活動」も同様です。
一般に「ベルマーク活動はやりたくない」人のほうが多いですが、なかには「ベルマーク活動、大好き」という人も、少数ながらいるのは事実です。
そういう人が、「やりたくない人」にまで無理やりやらせるのは大問題ですが(実際には、これがよくあるのですが……)、逆に「やりたくない人」が「ベルマークをなくせ」と言って、「やりたい人」にやらせない、というのも同じことでしょう。
考えが違っても、お互いに認めあい、「やりたい人はやる、やりたくない人はやらない」とすれば、丸くおさまるはずです。
さらに言えば、「PTAそのもの」についても同じです。
PTA活動に熱心な人は「全員でやらなくちゃダメ!」と言い(これがまた、よくあるのですが……!)、やりたくない人は「PTAなど、なくしてしまえ!」と言い、“全否定合戦”になりがちで、話が前に進みません。
これも、ただ「やりたい人はやる、やりたくない人はやらない」とすれば、それで済むことのはずです。
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