「広陵に限ったことじゃない」「全国の強豪校を調べろ!」広陵高校の暴力事案と大会辞退があぶり出した《高校野球の闇》

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高校スポーツの試合の中でも、全国高校野球、つまりは甲子園大会というのは特別な存在だ。地上波放送で全国中継され、多くのメディアで試合結果の1つひとつが取り上げられ、話題になる高校スポーツはほかにはない。

多様化の時代に高校野球だけが特別視されている現状には批判もあるし、筆者自身も疑問を持っているのだが、当面は大きな変化が起きるとは思えない。

甲子園大会では、これまで無名だった未成年の少年たちが不特定多数の人たちの目にさらされ、賞賛されたり、批判をされたりする。今回に関しては、大会に出場していない高校生にまで被害がおよんでしまっている。

なお、五輪においても、2021年の東京五輪、2024年のパリ五輪と経るにしたがって、SNSでの批判や誹謗中傷行為は過熱し、大きな問題となっている。

「モニタリング体制」を強化する必要

いじめや暴力行為などの不祥事を事前に防止することは最重要ではあるが、どうしても問題は起きてしまうものだし、公表しなくとも情報は出てしまうものだ。さらに、それと付随して真偽不明な情報が飛び交い、誹謗中傷が起きてしまう。

こうしたことを防止するために、しっかりとしたモニタリング体制を構築し、SNSやメディアでどのような情報が出ているのか、どのような論点から批判や誹謗中傷が起きているのかを把握する必要がある。

リスク管理においては、下記の2つの対応を同時並行して行う必要がある。

内部対応:問題・事案そのものへの対応
外部対応:メディアやSNSへの対応(情報公開や説明)

今回の件に限らず、高校野球の体質の古さや権威主義的なあり方は、批判を集めてきた。SNS上の声には、偽情報、誤情報、誹謗中傷も多いのだが、世論の一部(すべてではない)が反映されていることもまた事実だ。

筆者が高校生の頃は、甲子園大会はまだ神聖にして侵すべからざる存在だったが、今はそうではなくなっている。「民の声」に真摯に耳を傾けることが求められている。

西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授

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にしやま まもる / Mamoru Nishiyama

1971年、鳥取県生まれ。大手広告会社に19年勤務。その後、マーケティングコンサルタントとして独立。2021年4月より桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授に就任。「東洋経済オンラインアワード2023」ニューウェーブ賞受賞。テレビ出演、メディア取材多数。著書に単著『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』(宣伝会議)、共著『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』(彩流社)などがある。

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