「広陵に限ったことじゃない」「全国の強豪校を調べろ!」広陵高校の暴力事案と大会辞退があぶり出した《高校野球の闇》

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しかしながら、SNSで拡散しているような新たな暴力事案があったのかどうかについては、現在調査が進んでいる段階であり、それを現段階で「あったもの」として議論を進めてしまうことは時期尚早であるように思う。

それをもとに誹謗中傷行為を行うことが言語道断であることは言うまでもないことだ。

現段階で言えることは、広陵高校、日本高野連、さらには高校野球界が「SNS時代」におけるリスク対応が脆弱であり、十分な対応体制を早急に構築する必要があるということだ。

事実確認中の事案以外にも、今回露呈した問題はいくつかある。

1. 高校野球のあり方に対する批判
2. 情報公開の基準の問題
3. 初動対応の不手際
4. 批判や誹謗中傷への対応

まずは1つ目だが、今回の件で、「いじめや暴力行為は他の高校にもあるのではないか?」という疑問が大きくなった。特に、甲子園大会に出場するような強豪校では、問題行為が起きても、もみ消しや黙認がされてしまうのではないかという懸念が浮上している。

これまでも、猛暑への対応や、試合での選手の過大な負担など、高校野球は批判にさらされることが多かった。

可燃性の高い環境に格好の「火種」が投げ込まれたことが、今回の炎上を加速させてしまった1つの要因と見ることができる。

もちろん、最も重要なのは、被害者と十分に対話を行い、和解をすることだ。それができなかったから、今回のようなSNSでの告発と炎上が起きてしまったと思われる。この点に関しても、今後しっかりとした検証が必要となることは言うまでもない。

SNSで発覚したのはやむをえなかった?

事案による部分はあるが、企業の不祥事においては、すみやかに情報を公表することが重要となる。そうしないと事態が発覚した際に「隠蔽した」とされ、さらに危機的な状況に陥るからだ。

今回の事案は、日本高野連からの公式的な発表ではなく、SNSで発覚している。

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