「広陵に限ったことじゃない」「全国の強豪校を調べろ!」広陵高校の暴力事案と大会辞退があぶり出した《高校野球の闇》
SNSは炎上状態になり、加害者や広陵高校、日本高野連が批判されたのみならず、広陵高校の堀正和校長によると、SNSで寮の爆破予告がなされたり、生徒が登下校時に追いかけられたりする事態も起きているという。
同校が大会途中での辞退を決定したのは、暴力事案に対する責任を取ってのことではなく、「人命を守ることが最優先だと考え、事態に踏み切った」(堀校長)としている。
メディア報道においても、SNSでの誹謗中傷の問題を指摘しつつも、広陵高校や日本高野連の対応、さらには高校野球のあり方について批判が投げかけられている状況だ。
筆者としても、高校側や日本高野連の対応に問題があったことは否定しようがないと考えているが、世論がSNSの論調に寄りすぎていることに対しても懸念を覚えている。
現時点においては、保護者と思しきSNSの投稿内容と、広陵高校側の見解には食い違いがある。事実関係はいまだ明らかになっていない状況だ。


一方で、この事案に関しては、学校側は、被害者の保護者からの要望を受けて6月に第三者委員会を設置して調査を進めている。また、7月には被害届も出されて、警察の捜査が行われており、学校側もそれに協力しているという。
事実関係を明らかにする体制はすでにできており、その内容次第では、広陵高校側も新たな責任を問われることになるだろうし、甲子園大会の出場資格や第1回戦勝利の記録に対しても、改めて審議されることにもなるだろう。
広陵高校が出場辞退をしなかったとしても、同様であったように思う。SNSでの批判を受けて辞退を余儀なくされたというのは、どうしても後味の悪さが残ってしまう。
真偽が不明な中で明らかになった「高校野球の問題点」
当初に確認された暴力事案の処分が甘すぎたのではないか? その時点で大会出場を辞退すべきだったのではないか? 加害者だけを出場停止にするべきで、関係ない部員まで連帯責任を取らされるのはおかしいのではないか? といった批判は少なからずあるが、これはこれで議論すべき論点だ。
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