「広陵はなぜ辞退しない?」「夏の甲子園はもう限界」開幕早々、批判が“Xトレンド入り”の高校野球…“ネットのおもちゃ”となった必然

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さらに「被害者が転校を余儀なくされた一方、加害者が軽い処分で済み、晴れの甲子園大会でプレーするという選択は間違った教育ではないのか」などのコメントも散見されます。

また、監督などの事態を把握している人物からのコメントがないことも不信感を抱かせている理由の1つでしょう。

もし「今後もこの事案についてこれ以上、語るつもりはない」、あるいは「チームの試合がすべて終了するまでは何も話さない」という姿勢なら、さらに批判は加熱しそうです。

「試合前夜の緊急会見」が対応の遅さを象徴

一方の日本高野連も、広陵高校に厳重注意したことを認めながら、日本学生野球憲章に基づく規則を持ち出したうえで、「注意・厳重注意は原則として公表しないと定めています」などの説明にとどめていました。

しかし6日22時すぎ、日本高野連は緊急会見を実行。

「SNSなどで拡散されている事案の内容と広陵高校からの報告内容に違いがあった」ものの、「6日に学校側からこれまで報告していた内容以外に新たな事実関係はない」という表明があり、「大会出場の判断に変更はない」ことなどを明かしました。

ただ被害者側から「7月に被害届が出されている」という報道もあり、刑事事件となりうるケースでも本当に「厳重注意のみ」「一方からの聞き取りのみ」でいいのか、疑問の声があがるのは当然でしょう。

甲子園
日本高野連は、広陵高校の事案を受けて「誹謗中傷」が発生していると声明を出した(画像:日本高野連の公式サイトより)

日本高野連の処分基準の詳細はホームページに記載されているものの、かなりの長文かつ形式的な記載であり、「世間の人々にこれを読んで理解してもらう」のはほぼ不可能。

世間が求める「なぜチームや選手は出場停止でないのか」「過去の飲酒・喫煙による不祥事との違いはあるのか」などに言及しない限り、ネット上での批判は避けられないでしょう。

試合前夜に緊急会見を開いた対応の遅さも含め、ガバナンスの危うさを感じさせたことが、「広陵高校の校長が広島県高野連の副会長だから軽い処分になったのでは」というさらなる疑惑を招くことにもつながってしまいました。

今年はフジテレビのガバナンスが問題視され、スポンサーがCMを控えるなどの危機的状況に陥る様子を目の当たりにした人々の情報量や知識は明らかに増しています。それだけに高校と日本高野連の対応が変わらない限り、沈静化に向かうことは難しいのではないでしょうか。

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