むしろ日本人のほうが少ないのだが、その理由を「アニメがブラックな業界だということが日本人にはよく知られているからでは。それに日本のアニメが大好きで、日本で学びたいって外国人が多いからかも」とピョピョさんは推測する。
国籍も文化も違うクラスメイトと机を並べ、知識や技術を学びつつ、仲間同士で協力して一本のアニメを完成させることが授業の目標だ。
しかし、日本人は日本人、中国人は中国人、ベトナム人はベトナム人で固まってしまい、ピョピョさんの居場所はない。仕方なく入れてもらった中国人グループではみんな中国語で話すから、ぜんぜんついていけない。ボッチであった。
「だから、すごく病んでましたね」
先生に相談してみたところ、実は同国人だけのグループにはいたくない日本人、中国人、ベトナム人もいて、その人たちと混成チームをつくってアニメ制作に改めて向き合うことになった。しかし、これまたうまくいかない。
「すぐケンカしちゃうんです。アニメつくるときって絶対ケンカするんですよ。私はこれを描きたい! いやいや、こっちのほうがいい! 自分のつくりたいものと違う! って」
方向性の違いというやつであろうか。モノづくりに対する熱意やこだわりが強いのは良いことではあると思うのだが、ピョピョさんチームも少しずつ分裂していってしまったのだとか。
酔っぱらいに絡まれながらアルバイトもがんばる
ピョピョさんは専門学校に通いながら、アルバイトにも精を出した。両親からの仕送りはあったが、生活のためにも働く必要があった。
「コンビニ、焼肉屋、ファミレス、お弁当をつくる工場、焼鳥屋……いろいろやりましたよ」
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