「カーテンの形がおかしいって怒られたんですが、それは私が描いたものじゃなかったんです」
誰がどういうカットを描いたのかはリスト化され整理されている。そこにはカーテンを担当したのは同僚の日本人女性だと記されていた。それを示すと社長は黙ってしまった。日本人女性が怒られることはなかった。
そんな理不尽がありながらもアニメ業界に食らいつき、がんばってきたのは、やっぱりアニメが、描くことが好きだから。
ピョピョさんはそのために、日本にやってきたのだ。

アニメ専門学校の学生は8割が外国人
ミャンマー最北カチン州出身のピョピョさんは、子供の頃からテレビで流れる日本のアニメにのめりこんだ。
「セーラームーンとか、ドラえもんとか、NARUTOとか。とくにNARUTOが好きで、家の壁にサスケと私が手をつないでいる絵を描いてお母さんに怒られたりしてました」
すっかりアニメの虜になった娘を見て、父は言った。
「そんなにアニメが好きなら、日本に行って勉強してみたらどうだ」
幸い、親戚筋が日本に住んでいて、そこの世話になれば両親としても安心だ。
「じゃあ行くよ!」
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