「すず」が嫁いだ北條家は、そんな呉市の海を見下ろせる「灰ヶ峰」の中腹にあったとされており、映画公開後の2020年、ここに「すずさんに会える丘」が整備されました。
ここはもともと原作者・こうの史代さんの祖父母が住んでいた場所で、道がわかりづらく、周辺も住宅地であったことから、映画公開当時は非公開となっていましたが、市への寄付を受けて整備され、公式に行くことができるようになったのです。
整備後、この家は「すずさん家(すずさんがた)」と呼ばれ、作品に登場した家の間取りを再現。こうのさんの書き下ろしによるイラストや、こうのさんがデザインした案内板、書き下ろしデザインをあしらった椅子も展示されています。
また、1940年代は海軍の町として繁栄した呉では、ほかにも当時を感じさせる多くの見どころがあります。
中でも「海上自衛隊呉史料館(てつのくじら館)」は、海上自衛隊で使用されていた潜水艦「あきしお」が屋外展示され、内部を見学、体感できる施設となっています。


「艦これ」の聖地としても大賑わい
さらに、隣接する「呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)」は、当時世界最大の戦艦として呉で建造された「戦艦大和」の1/10の模型があることで有名です(ただしリニューアル工事のため、2026年3月末まで休館中)。
そして、海上自衛隊の拠点でもある呉は、ゲーム『艦隊これくしょん(「艦これ」)』の聖地としても知られています。
8月31日までは、呉市立美術館で、「艦これ」公式展が開催中。このイベントのために書き下ろされた大判展示をはじめ、大和ミュージアムの資料の一部も展示されているとのことで、軍港であった呉の一面を体感することができます。

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