6年ぶりに再上映「この世界の片隅に」舞台地の《広島・呉》が美しすぎた…いま、“意外な作品”の聖地としても盛り上がっている

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2014年には広島高速3号線が開通し、江波地区と東の外港である宇品地区とが結ばれたことで、これまで行き止まりであった江波地区のアクセスが向上した反面、風情ある港町の景観の一部が失われてしまったともいわれています。

作中に登場し、ファンの間で長らく「聖地」と呼ばれていた「松下商店」の建物も、残念ながら映画公開後に取り壊されてしまいました。

広島
かつて江波の街角に佇んでいた「松下商店」(筆者撮影)

江波へは、JR広島駅から広島電鉄の路面電車で行くことができます。

路面電車は、これまで広島駅南口の駅前広場の一角から発着していましたが、8月3日より「駅前大橋ルート」が開業し、広島駅の駅ビル「ミナモア」の2階にダイレクトに乗り入れる形となりました。江波へのアクセスも、より一層向上しそうです。

そして、広島市内の百貨店「福屋八丁堀本店」は、1938年竣工の由緒ある建物で、作中で「すず」が描いたシーンが印象的です。

現在も元気に営業している映画館「八丁座」では、本作がロングラン上映されていたこともあり、『この世界の片隅に』のシンボル的存在としてファンに愛されています。

フランスから広島を訪れたファンは、この「八丁座」でこの作品を見たかった、ということで2度も来日し、実際に鑑賞して帰ったとのことでした。

江波停留所
広島電鉄の「江波停留所」付近の様子(写真:のりえもん/PIXTA)
広島
「福屋八丁堀本店」の前を路面電車が走ります(写真:izumousagi/PIXTA)

作品の舞台となった「1940年代の呉」

そして、「すず」が嫁ぎ、その後暮らした呉市は、広島市内から南東へ約25キロ、車で30分の距離のところに位置しています。

古くから瀬戸内海の海運の要衝として栄え、また村上水軍の拠点となっていました。戦時下では軍港となり、現在も海上自衛隊の拠点となっています。

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