「半年で退社」Z世代≪超早期離職≫は“堪え性がない”からじゃない⁉ 上の世代には見えていない“倍速人生”という考え方

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新入社員のイメージ
問題視されているZ世代のスピード離職。彼らが入社半年未満で転職を選ぶ理由とは?(写真:8x10/PIXTA)
新卒で入社した会社を6カ月未満で退社する「超早期離職」。最近のその比率は10%程度とされており、Z世代を堪え性がないと見る向きもあるようです。たしかに一部にはそうした面もあるでしょうが、中には合理的な選択と考えているケースも。本稿は『Z世代の頭の中』より一部抜粋のうえ、Z世代の職業観に迫ります。

倍速動画ではなく「倍速人生」としてのタイパ

若者の「転職・離職」について問題視されているキーワードが「超早期離職」です。リクルートワークス研究所が2020年ごろから使い始めた言葉で、一般的には就職後6カ月未満のスピード離職を指します。

「七五三現象」、すなわち中卒者の7割、高卒者の5割、大卒者の3割が、3年以内で離職する現象に照らせば、若者の早期の離職率は「中卒→高卒→大卒」の順に低くなるはずで、超早期離職における大卒者は、中卒や高卒者ほど問題視されないはずでした。

ですが、同研究所が2020年、レポートで公表した内容によれば、入社から「3カ月以上6カ月未満」の超早期離職率は、高卒で11.2%、短大卒で10.2%、大卒で10.7%であり、高卒と大卒の間に思うほど大差がなかったのです(同研究所サイト「『超早期離職』問題」【8月24日掲載】)。

当然ながら、採用段階における「売り手市場」や「雇用のミスマッチ」も、大卒のZ世代が早い段階で「辞めたい」と感じる原因ではあるはずです。ですが、上の世代から見ると「6カ月未満で辞めたいだなんて、本当にZ世代は堪え性がない」と映るかもしれません。

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