「半年で退社」Z世代≪超早期離職≫は“堪え性がない”からじゃない⁉ 上の世代には見えていない“倍速人生”という考え方

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まさに、私たち40、50代以上の大人世代が「超早期離職」と解釈する「入社6カ月未満」の退職も、タイパ重視のZ世代にとっては昔でいう「2、3年」の感覚かもしれない。だからといって、彼のような若者が、目先のことしか考えていないとは限りません。

むしろ長期的に仕事や人生を捉えるからこそ、「先々の長い人生に備えて、いますぐ倍速(高速)で、自分という資源の運用を始めないと」との焦りもあるのではないか、といった印象も受けるのです。

インターンシップがもたらす功罪

ご存じの通り、日本でインターンシップが本格的に導入されたのは、1990年代後半でした。きっかけは1997年、文部省、通商産業省、労働省(いずれも当時)の三省合同による「インターンシップ推進に当たっての基本的考え方」の公表だとされています。

嘉悦大学ビジネス創造学部の古閑博美教授によれば、大学もこのころから「キャリア教育の一環として(単位認定科目を設置するなど)インターンシップを推進するようになった」とのこと(2013年 アデコグループ「日本のインターンシップ制度」)。

当初は外資系企業での導入が中心だったようですが、いまや約8割(76.2%)の企業が実施し、2025年卒学生の9割以上(90.4%)が参加経験を持つ、とのデータもあるほどです(2024年 ディスコ「インターンシップ等に関する特別調査」)。

2024年12月、私が外部企業(※)と共に、1600人超のZ世代に対して実施した定量調査では、高卒・専門学校卒のZ世代でも「一度も参加経験なし」は約半数(54.7%)に留まりました。

(※CCCMK総合研究所)

企業にとって、インターンシップの魅力は計り知れません。採用前に「即戦力」になる優秀な学生が見つかることもあれば、学生とのミスマッチを防ぐことにも繋がる。なにより、自社の魅力を広くアピールする機会にもなります。対する学生にとっても、ビジネスに必要なスキルや人脈を構築できたり、職場の雰囲気が分かったりするうえ、もしかするとインターン時の活躍が内定に直結するかもしれない。

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