それまでは、大企業の株と外貨預金で「堅実」ともいえる投資を続けていた東山さん、一体なぜそんなギャンブルのような投資をしてしまったのだろうか?
「いやあ、今から思えば、ほんと何考えてたんだろう。FXに入れて負けると『もっとつぎ込めば取り返せるはずだ』と熱くなっちゃうんですよ。最初は100万円ぐらいの損だったのがさらに100万円、200万円とつぎ込んでいって、結果、どんどん負けがかさんでいきました」
まさにギャンブルで失敗する典型的な例である。
熱くなった頭は冷静さを欠いており、一度は「妻との共通の口座を解約して突っ込もうか」とまで考えたが、さすがにそれは踏みとどまった。「やっていたら離婚されていたかもしれません。危なかったです。どうかしていました」と東山さん。
さらに追い打ちをかけた2つ目は、2008年のリーマンショック である。
FXでの700万円の損に加えて、株価の大暴落で総資産は500万円を切ってしまった。2000万円から500万円へ。わずか1年の間で1500万円ものマイナスである。
「耐えられなくなって、証券会社の口座に3年ぐらいアクセスしませんでした」
そこから3年間は、投資の世界から遠ざかった。
貯金の奥義「3かく」「本多静六式」「仕組み化」
そんな中、転機となる出来事が起きる。2009年に娘が生まれたのだ。当時の東山さんは40歳。
「子どもも生まれたし、このままじゃ将来がまずいと、徹底的な倹約に入りました」
「普段から水筒・弁当を持参」「近距離なら歩いて交通費を節約」などの基本の節約に加えて、ポイ活や懸賞サイトの活用も積極的に行う。
でも何より、基本的には贅沢をしない精神が大事だったという。
「今している腕時計も、ドン・キホーテで10年前に4000円ぐらいで買ったものです。携帯もギリギリまでガラケーでしたし、車も持ちませんでした(※後日、親の軽自動車を相続)」
家族との時間も、お金をかけて特別なところへ行くというよりも、妻の実家や家近くの自然公園に行くなど、工夫して楽しく過ごしていた。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら