特に当時の新聞社勤務のエリート、多くはいいマンションに住みたがる人が多かったのではないだろうか。そのような風潮の中、流されずに自分が価値を感じない部分にお金を無理に使わなかったのが、東山さんがお金を貯められた1つの要因だろう。
300万円の貯金ができた入社7年目の1998年、東山さんは投資を始めてみることに。この頃には年収も500万円になっていた。
その少し前、1996年から「日本版ビッグバン」 という言葉を日本政府が打ち出すようになり、「貯蓄から投資へ」が推奨されていた。株式売買手数料の自由化が始まり、FXも個人利用できるようになり、個人の投資への参入障壁が下がっていた頃だ。
東山さんは株と外貨預金から始めてみることにした。
「ドラマ『踊る大捜査線』が好きだったので、フジテレビの株を買いました。外貨預金もその頃から個人でブームになり、米ドル外貨預金を始めました。当時は円高で1ドル100円切っていましたね」
そうして貯蓄していた300万円を投資にまわし、その後またお金が貯まるとトヨタやNTTなど日本を代表する大企業の株をさらに買っていった。
時期もよかった。2000年代に入りITバブル崩壊や同時多発テロの影響で下落した日経平均株価だったが、2007年までは再び緩やかに上昇していく。
2007年には、東山さんの資産は2000万円になっていたという。
「今度こそは勝つ」と大金を注ぎ込み…
しかし、その後は落とし穴が待ち受けていた。それも2つ。
1つは2007年に手を出したFXで、東山さんはあっという間に700万円を溶かしてしまった。
「当時はテレビのワイドショーで、FXをやった主婦が数億円脱税して捕まったニュースが世間を賑わせていました。私はそれを見て自分も10億円ぐらい稼げるんじゃないかと思ってしまって」
外貨預金をすべて解約して、FXに一気につぎ込む。レバレッジは25倍。結果、1週間で700万円の大損をした。
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