20代で毎年50万円の貯蓄額は多いといえば多いが、ものすごい倹約家というほどでもない。
「その頃何に使っていたかといえば、飲み代ですね。新聞社の風土というか、時代的にも“飲みニケーション”が活発でした」
連日連夜、飲みの場に出向いていたため、給料の割には貯まらなかった。ちなみに56歳になった現在、この出費は「一番の無駄だった」と痛感しているそう。
「私の年代は飲み会好きのイメージがあるかもしれませんが、私はあまり好きではなくて。それでも周りに流されるまま参加していました。今となっては、自分の心が弱くてもったいなかったなと。
当時はそこで上司に気に入られれば出世できるかもと、邪な心もありましたが、結果的にリストラされているからまったく無意味ですよね。お金を貯めるには、こういう無駄なことはしないほうがよかったですね」

「いい家に住む」という価値観に染まらなかった
飲み会の空気には流されつつも、流されずにお金が貯まった例も。
当時の社会風潮は「いい車、いい家を持つ」という価値観が今よりも強かっただろう。しかし東山さんは、それらへのこだわりが薄かった。
「実はこれは特殊な例ですが、新聞配達店の空き部屋を間借りしていたこともあります。当時付き合いのある新聞配達店が配達員用に作っていた店上のワンルームが空いて困っていたようで。新聞配達店は午前3時くらいの早朝から作業するので、その環境で借り手を見つけるのが大変なんですね。私はそういうのは平気なので借りました」
朝の物音にさえ目をつむれば、駅から徒歩10分、ワンルームで約3万円の格安・好物件だった。
家賃を安く抑えることは、節約の肝である。筆者自身、住まいは会社の補助を入れると5000円に抑えられている。月の固定費である家賃が安いと、お金がどんどん貯まる。
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