医師が警鐘! 近年では「認知症」との関連も注目される【悪玉菌】が引き起こす深刻な"7つの症状"

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近年ではあらゆるがんの引き金が、それぞれの場所で起きる慢性炎症なのではないか、と考えられています。

また、悪玉菌だけでなく、日和見菌の中のバクテロイデスフラジリスという菌も大腸がんの原因になっている、という論文が発表されています。外科手術をする時も、この菌を薬で除菌した方が手術の後の回復が速いのです。

つまり、この菌は日和見菌と呼ばれているけれど、本当は悪玉菌に分類した方がいいものなのかもしれません。

近年、注目される「認知症」との関係

【認知症】

認知症は、脳の中でアミロイドβやタウなどの異常なタンパク質が溜まってしまい、そのせいで神経細胞が死んでしまうことが原因とされています。

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近年、腸内細菌の悪玉菌が増えると認知症になりやすい、認知症が悪化する、などと言われていますが、腸内細菌との関連やそのメカニズムについて、全ては判明していません。

しかし、認知症の患者さんと通常の人の腸内細菌を比較すると、認知症の患者さんにはバクテロイデスという日和見菌のグループの菌が少なく、その他の不明な細菌が多いという研究結果があります。

また、腸内で悪玉菌が増え、毒素を出し続けていると、その毒素が自律神経を通じて脳に届き、アミロイドβなどに作用して認知機能を低下させるということもわかりつつあります。他にも、腸内細菌のバランスの変化が認知機能に影響を及ぼすということが、マウスの実験で判明しています。

こんなに色々な種類の病気と腸内細菌が関係しているとは、本当に驚きですね。

まだまだ因果関係が明確ではないものもありますが、これからもっと詳しいことが判明してくると思います。やはり腸内環境をよくして善玉菌を増やすことが、あらゆる方向の健康の秘訣と言えますね。

川本 徹 犀星の杜クリニック六本木院長

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かわもと とおる / Toru Kawamoto

1987年筑波大学医学専門学群卒業。専門は消化器外科。みなと芝クリニック院長などを経て、2022年より犀星の杜クリニック六本木院長。著書に『結局、腸が9割 名医が教える「腸」最強の健康法』など.

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