医師が警鐘! 近年では「認知症」との関連も注目される【悪玉菌】が引き起こす深刻な"7つの症状"

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ですから、悪い菌の比率が多くならないように、また、悪いものを出す菌が元気に活動しないようにするために、善玉菌を増やし、短鎖脂肪酸をたくさん出してもらうよう心がけることが大切なのです。

「身近な病気」の陰にも悪玉菌の増加が

腸内フローラのバランスが悪く、一部の悪玉菌と日和見菌が増えて有害なものを出し続けていたら、どんな不調や症状を引き起こしていくのでしょう。現在わかっているだけでも、以下のようなものがあります。

【肥満】

悪玉菌のなかには、エサを食べて脂肪のもとになるものを出す種類のものがいます。この脂肪のもととなるものが肝臓などに届くと、脂肪として貯めこまれてしまいます。そして脂肪肝になるなど内臓脂肪が増えていき、内臓脂肪型の肥満になっていくのです。

こうした悪玉菌は"デブ菌"と呼ばれ、ヨーロッパの人に持っている人が多いと言われていますが、最近は日本人にも増えつつあります。

内臓脂肪型の肥満は、皮下脂肪型の肥満より脂肪を落としにくく、メタボの始まりになるので注意が必要です。

また腕や脚はそこまで太っていないけれどお腹だけがポッコリ出る体型になります。最近では若い女性にも増えてきているので、心当たりがある人は腸内環境を見直しましょう。

【糖尿病】

食事をすると、血液中のブドウ糖を体内に取り込んで蓄えるために、すい臓からインスリンというホルモンが分泌されます。

このインスリンの量が足りなかったり、きちんと働かなかったりすると、血糖値(血液中の糖の濃度)が高い状態が続き、やがて糖尿病を発症。将来的には、動脈硬化症や心臓病、腎臓病、網膜症といった重篤な病気を招く可能性が高くなります。

2型糖尿病患者の腸内フローラを健常者と比較して解析したところ、腸内細菌の総数には大きな違いはなかったものの、腸内フローラを構成する細菌の割合が異なっており、糖尿病患者の腸内ではある特定の悪玉菌が優勢で、短鎖脂肪酸(酪酸)を作る特定の腸内細菌が少ないことが明らかになっています。

【慢性疲労症候群】

単なる疲れ、寝不足というだけでなく、普通に生活を送ることが辛いほどの疲労感が続く症状を、慢性疲労症候群と言います。検査をしても特に異常が認められないけれど、本人は非常に疲労感が強い症状です。

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