「ガチャ」「匿名つぶやき」「ドット絵自撮り」Z世代を惹きつける“不完全”コンテンツの中身

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特筆すべきは、この商品の“中身が見えない”という仕掛けである。どのマスコットが当たるかは入浴剤が溶けきるまで分からず、購入時点では「推しキャラが出てくるかな?」というドキドキ感を味わえる。あえて不完全な情報しか与えないことで、ユーザーはワクワクしながら自分なりに結末を想像する余地を与えられているのだ。

実際、SNSに「zeroniのバスボムゲット!」と報告する投稿が相次ぎ、それに対してファン同士が「小さくてかわいい!」「私もほしい!」とゆるく共感しあうコミュニティも生まれている。こうした“不完全さ”が生んだこの一体感こそ、Z世代の価値観を象徴するものだろう。

事例②Yahoo!天気「みんなの投稿」

天気アプリが「盛らないSNS」に? 匿名でつぶやきを共有

意外なところでは、気象情報アプリ「Yahoo!天気」の新機能「みんなの投稿」にZ世代の熱視線が注がれている。2025年2月に追加されたこの機能は本来、各地の空模様や天候に関するユーザー投稿をマップ上で共有する目的で設計されたものだ。

しかし追加当初から、天気とは無関係の「日常のつぶやき」を書き込める場としてじわじわ話題になった。投稿にはフォロワー数や「いいね」ボタンが存在せず、ユーザー名も表示されない完全匿名の仕様であるため、他人の目を気にせず気軽に一言を残せるのがポイントだ。

ゆるいつぶやきの場が心地よい

「バイトだるい」「明日テストある…」地図上には今日も、位置情報だけが添えられた学生や若者の独り言が地図上に点在している。こうした「誰かに見せるためではない」ゆるいつぶやきの場は、SNS疲れを感じるZ世代にとって心地よい居場所となった。

投稿内容を見渡すと学生の本音投稿が目立ち、XやInstagramでは「次に来るSNS」「理想のSNS」と評する声も広がった。運営元の想定を超えて、天気予報アプリがSNS化するバズ現象に発展したのだ。

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