「ガチャ」「匿名つぶやき」「ドット絵自撮り」Z世代を惹きつける“不完全”コンテンツの中身
この事例で注目すべき“不完全さ”は、投稿内容にフォーマットがなく何をつぶやくかは完全にユーザーの自由に委ねられている点だ。本来の天気を共有するという枠を外れ、各自が自分なりの使い方で投稿している状況に、「余白」が生まれている。
読む側も、投稿された場所や文章から投稿者の状況を勝手に想像してクスっと笑ったり共感したりできる。ガチガチに管理されたコミュニケーションではなく、匿名性と自由度の高さが生むこの「ゆるい」繋がりがZ世代を惹きつけているのだ。
粗いドット絵が逆に新鮮、ピクセルアートで自己表現

ChatGPTで自撮り写真をドット絵風に変換
もう一つ、SNS上で最近目立つのが自撮り写真を8ビット風のドット絵キャラクターに変換する投稿だ。発端は韓国で流行した「ピクセルキャラクター」ブーム。ChatGPTで自撮り写真をドット絵風に変換する遊びが韓国から広まり、日本でも夏頃から真似するユーザーが急増した。
若者にとって、ファミコン風のレトロなドット絵はどこか懐かしくもあり、新鮮な表現方法として映るようだ。粗い解像度ゆえにディテールが省略されたピクセルアートは、一見すると情報量が少なく不完全なビジュアルだ。しかしその「粗さ」こそが、鑑賞者の想像力を刺激し、見る人それぞれが自由に解釈できる余地を残している。
さらに、実際の自分の顔写真を加工するのではなくドット絵化することで、過度な自己アピールやプライバシー露出を避けつつ「ゆるく自己表現できる」のもポイントだ。フィルターで美化された自撮りとは一線を画す、この不完全でアナログな表現手法はZ世代から「かわいい」と受け入れられている。
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