なぜか離れていく若い部下たち…原因は上司の話し方? 《 若手がすぐ辞める》職場で上司が「忘れている」話し方の盲点

気を配って部下と丁寧にコミュニケーションを取っているつもり、でも、相手には伝わっていないことも…?(写真:ペイレスイメージズ1/ PIXTA)
「論理的に話したのに伝わらない」
「良い提案のはずが誰も動いてくれない」
「丁寧に説明したのにスルーされる」
経営コンサルタントとして200社以上の経営者・マネジャーを支援した実績を持つ横山信弘氏は、この中で1つでも思い当たるなら「あなたは"わかりやすい話し方"と"相手を動かす話し方"を混同しているのかもしれない」と語る。
そんな横山氏が到達した“話し方の集大成”とは?
横山氏の新著『わかりやすさよりも大切な話し方 自分視点から相手視点に切り替える話し方改革』は単なる話し方の解説書ではなく、「気遣い」の本質まで掘り下げた「人間関係の教科書」。
本記事では、「入社して半年で辞める若者たちは、上司のどんな話し方に傷ついたのか?」について、書籍の内容に沿って解説する。
「なぜうちの新人たちは、こんなにも早く辞めてしまうんだ……」
ある中堅企業の人事部長が頭を抱えていた。15人の新卒社員のうち6人が、わずか半年で退職。第二新卒で採用した7人のうち3人も去っていったというのだ。離職率は実に40%を超える異常事態だ。
話し方を考えるのは旅行プラン立案と同じ
若者たちを退職させてしまった上司たちには、ある共通点があった。
意外にも、上司たちはみんな、コミュニケーション能力の向上に熱心だった。話し方教室に通い、プレゼンテーションを学び、傾聴スキルを磨いた"マジメな管理者"だった。
しかし決定的な問題があった。「自分視点」から抜け出せなかったのだ。
これは旅行に例えるとわかりやすいだろう。
たとえば、あなたが旅行代理店の店員だとしよう。
お客様に「絶対に楽しめる最高の旅行プラン」を提案する、と宣言する。豪華なホテル、有名な観光地、グルメツアー。完璧なプランだ。
しかし、そのお客様が求めていたのは「1人でゆっくり海外を旅したい」だったらどうか?
あるいは「国内の歴史的建造物を静かに見て回りたい」だったら?
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