そしてその考える力をいかにして鍛えるか、いかにして身につけるかも、仕事をこなすうえで、そして人生を生きるうえで非常に重要である、ということにも多くの方が同意されるだろう。
「頭がいい」、といったときに、学生であればいわゆる記憶力に優れたヒト、つまりは知識量の多いヒトが頭のいいヒトとして評価されるだろう。
何故ならば、いまだに学歴の面において重要視されるのは、記憶力であり、反復力であり知識だからだ。
しかしながら、ことビジネスパーソンとなるとそうはいかない。
正解や前例がないビジネスの場
記憶力ももちろん大事であるが、「頭がいい」と評価されるにはやはり考える力を有していることが前提であり、そこから派生される「質問する力」や企画力、構想力、そして行動力などを有していることが大切なのだ。
何故ならば、正解がある世界や、正解がある前提に生きている学生や学問の場とは異なり、ビジネスの場は正解もなければ、多くの場合で前例がない、という状況での戦いだからだ。
もっと言うと、知らないことがあれば誰かに聞いたり、調べたりすればいいだけの話であり、絶対的な知識量のみで乗り切れる場面は多くはない。
とりわけ現在のようなAIの時代において、絶対量としての知的インプット量もAIには敵わないし、ますます記憶力や知識の力だけで仕事において付加価値を出すのは困難になっていくのは言うまでもない。
いうならば「知識の価値」というのもが非常に低下したということだ。
ではどんな力が大切かというと、経験や経験から培った知識なりを、仕事をするうえや生きるうえでの知恵にまで昇華させうる考える力を持っていることがやはり大切だ、ということになる。
しかしながら、考える力を有しており、なおかつ仕事にも人生にも大いに発揮して、というヒトは決して多くはない、というのもまた事実であろう。
これは何も一般企業に勤務するビジネスパーソンだけに当てはまることではなく、戦略コンサルファームなどのいわゆるプロフェッショナルファームに勤務するビジネスパーソンにも当てはまる現象だ。
戦略コンサルファームというと、考える力が売りのように思われるだろうし、実際にその通りなのだが、全員が全員考える力を有しているかというとそんなことは決してない。
もっとも、戦略コンサルファームにおいてできるヒトというのは、もちろん考える力を自然と有しているヒトであり、一般企業よりもその仕事の性質上そういったヒトが多いのも事実だ。
しかしながら一方で、物知り博士のようなヒトもいるし、過去の事例の横展開のみでやっているヒトもいたりと、さまざまだ。
プロフェッショナルファームにおいても、そのような状況であるからして、一般企業においてはよりさまざまなのは言うまでもない。
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