ピザの宅配「注文順に届ける人」「ルートを最適化する人」“仕事を覚えるのが早い”のはどちらだったか?上場企業社長が考える《社会人力》の中身

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では、そのようにしてその考える力を鍛え、そして養うのか、という話であるが、結局のところは日々の習慣であり、日常の積み重ねである、ということなのだと思う。

例えば同じニュース、日経平均が大きく上がったとか下がったとかの誰にでも日常的に触れることのできるニュース、を見聞きしても、その反応はヒトそれぞれだ。

興味のあるなしにもよるだろうが、「ふ~ん」で終わるヒトもいるだろうし、「株やってるヒトは大変だなぁ」で終わるヒトもいるし、「景気が悪い(いい)からね」で済ますヒトもいるだろう。

一方で、その背景を探るべく、例えばそれは日本固有の要因で上下しているのか、それとも世界的な要因なのか、と考え世界の主要株式市場の動きなどを自分で確認して、その因果関係を自分なりに理解しようとするヒトもいるだろう。

そしてそのうえで自分の仕事や生活に対する潜在的な影響などを考えてみるヒトもいるだろう。

これは別に株式市場うんぬんだけではなく、選挙の状況であったり、就職の状況やトレンド、不動産価格のトレンドや私立大学の定員割れでもなんでもいいのだが、日常においてふれる情報や現象に対して、情報としての知識のみとして鵜呑みにしてしまうか、それともそこを起点に思考にまでつなげるクセがあるか否かの違いでもある。

情報や出来事に好奇心を持ち、疑問を持てるか

どちらのスタンスがより考える力を身につける糧となるかは言うまでもないだろう。

前者は単なる情報として触れているだけなので、下手すると数日で忘れてしまうだろうし、そこからの学びはなく、つねに新しい情報に触れてはいるが、知恵やあるべき経験として身についているかというとそうではないだろう。

これは単に情報に接している、という状態で、知恵として身につくかというとそうではないだろう。

反対に後者であれば、情報としてのデータは同じく忘れてしまう可能性ももちろんあるのだが、一方でその過程において身につけた思考回路や考える力やクセは一生ものだ。

知識を有しているのが大事なのではなく、情報としての知識をベースに思考力などを鍛えることが重要だという観点からすると、やはり後者のほうがビジネスパーソンとしては望ましい姿であると言える。

目の前にある情報や出来事に対して、好奇心を持ち、疑問を持てるか。

それが一番大切なのであり、考える力を持てるようになる第一歩であると言える。

どんなことでも構わない。

車の給油口は何故車種によって左右まちまちであり、どちらか一方に統一されないのか、というような些細なことでもいいのだ。

日常の出来事に対して好奇心や疑問を持つ。

すなわちそれは頭の体操を日々行うことでもあり、脳の若さを保つ秘訣でもあろう。

ぜひ皆さまも身の回りのことや情報に好奇心を持って接し、思考や行動につなげる癖をつけていただきたいものだ。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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