【独自】混迷の2026年ワールドカップ放映権。FIFAの"電通外し"から一転、博報堂との交渉難航で電通が急接近。迫るタイムリミット

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2022年ワールドカップで9位となったサッカー日本代表(写真:Evrim Aydin/Anadolu Agency via Getty Images)

4年に一度、国際サッカー連盟(FIFA)が開催する「FIFAワールドカップ」。来年6月11日の開幕戦まで1年を切ったが、こと日本においては放映権をめぐり混迷を深めている。

パラグアイのアスンシオンで5月15日、FIFA総会が開催された。日本から飛行機で移動すると、ゆうに32時間は要する南米の地に電通社員の姿があった。「ワールドカップの放映権獲得に向けて、電通がFIFA総会へ人を送り込んできた」(業界関係者)。

時計の針を、さらに3月へ戻そう。アメリカのダラスでFIFAが開催した、2026年大会に向けた放映権ビジネスのワークショップ。日本からはNHKと博報堂が参加したが、このときは電通の参加がかなわなかった。FIFAは博報堂を日本における放映権のパートナーにするべく、“電通外し”に動いたためだ。

FIFAと博報堂との独占交渉は5月に大詰めを迎えるかと思われたが、7月半ばになっても結論が出ていない。いったい何が起きているのか。

博報堂との独占交渉は終了

電通グループのスポーツ部門は、オリンピックやワールドカップなど国際的なイベントを取り仕切った経験が豊富だ(撮影:今井康一)

東洋経済がFIFAに取材したところ、「FIFAと博報堂との独占交渉は終了し、博報堂との継続的な協議に加え、新たなメディアパートナーとの交渉を開始した」とのコメントを得た。

新たな交渉先は明らかにしないものの、博報堂との独占交渉が5月末に終了してから「電通がFIFAに直接、交渉したいと申し出て巻き返しを図っている」と前出の業界関係者は指摘する。パラグアイにまで来てくれた電通を、FIFAもむげに扱うわけにはいかない。両者の関係は長く深いからなおさらだ。

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